2015年6月の住宅ローン金利は、長期金利が上昇した事から、ほとんどの金融機関が10年を超える住宅ローンの金利を若干引き上げました。短期金利についてはわずかな変動に収まったため、金利は総じて据え置かれましたが、今後の金利の推移には注意が必要です。ここ数カ月、住宅ローン金利の変動が大きくなっており、今後も更に大きく動く可能性があるでしょう。これまでは低位で安定していた住宅ローン金利ですが、今後は上昇する事も視野に入れ、住宅ローンの借り入れ及び借り換えをする必要がありそうです。住宅の購入を検討する場合も同様です。
各社の住宅ローンの金利動向をチェックしていきます。ユーザー調査で、最も高い評価を受けているフラット35は、返済期間が21年以上の場合の金利が1.54%~2.28%(前月比+0.08%)また、返済期間が20年以下の場合の金利が、1.31%~2.12%(前月比+0.08%)と2か月ぶりに金利が上がりましたが、他の金融機関と比べると変わらず長期固定金利では、かなり低めの金利です。次に評価の高い住信SBIネット銀行は、5年物の短期金利をわずかに引き下げた以外は短期・中期共に金利を据え置き、20年を超える住宅ローン金利を引き上げました。変動金利の低さが特徴のソニー銀行は、住宅ローン金利の指標となる国債の金利が乱高下した事から、住宅ローン金利を総じて引き上げています。メガバンクのみならず、日本全体の住宅ローン金利の指標となっている三菱東京UFJ銀行は、最も人気の高い中長期の住宅ローン金利を引き上げました。三菱東京UFJ銀行に次ぐ人気を誇る三井住友銀行も、三菱東京UFJ銀行の動き同様に、中長期の住宅ローン金利を引き上げており、ほぼ同様の対応になりました。今月の各金融機関の動向は、短期や変動金利は据え置きましたが、中長期の固定金利は引き上げられたカタチとなりました。
日銀の定例会見でも、今後の追加金融緩和の方針(※住宅ローン金利の低下要因になるため)が注目されましたが、日銀はこれまでの判断を変えず、しばらくは現在の金融政策を継続するというものでした。実際に量的緩和は充分に行われている事から、これ以上の緩和は行われない可能性もあるという事も念頭に置いておく必要があります。。また、もし実際に追加金融緩和が行われたとしても、これ以上に金利が下がる余地は乏しく、範囲・影響共に限定的になる可能性のほうが高いでしょう。。
また米国では今年中に金利の引き上げを予定しており、米国の金利が上がると日本の金利も引きずられて上がる傾向が高い点には注意が必要です。当り前ですが、金融緩和はいつか辞めなければいけない政策であり、金融緩和の出口では、金利の急上昇が起こる可能性が極めて高いでしょう。住宅ローンを検討している方は、しっかりと比較・検討を行い、金融緩和の出口が議論される前に、住宅の購入を検討して、賢く住宅ローンを借り入れ(借り換え)しましょう。