住宅ローン金利情報

2014年12月の住宅ローン金利は、10月末に日銀がさらなる量的緩和に踏み切った影響により、日本の長期債が再度下落した事を受け、20年を超える住宅ローン金利が一部下落しました。一方で短期・中期の住宅ローン金利はほとんど動いておらず、日銀の国債購入による金利引き下げには限界が見えており、住宅ローン金利もこれ以上下がらないと考えても良いでしょう。日銀が日本政府が発行する国債を市場から買い付ける限り、日本の金利はそう簡単には上がらないでしょう。一方でこの政策は、日本の財政を考えると非常に危険で、リフレと呼ばれる不景気下での物価上昇を引き起こす可能性があります。量的緩和政策は、必ず終わらせなければいけない政策であり、その際の金利急騰は免れません。いつか必ず来る金利急騰を意識しながら住宅ローンを借り入れる(借り換える)必要があるという事を忘れないようにしましょう。

 

各社の住宅ローンの金利動向をチェックしていきます。ユーザー調査で、最も高い評価を受けているフラット35は、返済期間が21年以上の場合の金利が1.56%~2.19%(前月比-0.05%)また、返済期間が20年以下の場合の金利が、1.29%~2.11%(前月比-0.05%)と今月も金利は引き下がりました。今月も先月に引き続き金利が引き下げられました。2014年度は、金利が下がり続け結果的には1年で0.24%も下がり、長期の固定金利としては、類を見ない金利の安さとなっております。

 

フラット35の次に評価の高い住信SBIネット銀行は、固定2年、3年、5年といった短期金利と中期金利を据え置きました。変動金利の低さが特徴のソニー銀行は、引き続き自己資金10%以上資金のある方は、通常の金利より有利な条件で住宅ローンを借り入れる事ができます。メガバンクの指標となる三菱東京UFJ銀行は、長期の金利のみ若干引き下げ、ほとんどは据え置きしました。三菱東京UFJ銀行に次ぐ人気を誇る三井住友銀行はすべての金利を据置きました。今月は、ほとんどの銀行が金利を据え置き、長期の金利を引き下げましたが、短期や変動は据え置きました。フラット35以外は、大きな動きはありませんでしたが、先月同様、金利は過去最低水準です。

 

11月の日銀の会見では、日本の景気の下振れに注意している事がよくわかります。今回の日銀の量的緩和を市場がどう判断するかはわかりませんが、今後住宅ローンの借り入れ・借り換えを検討している方は、長期金利の動向には細心の注意を払いましょう。

 

米国が量的緩和を終わらせ、出口戦略については議論しているように、日本にもいずれ必ず量的緩和を終了しなければいけない時が来ます。その時は歴史的に低い水準で固定されている日本国債の金利がまずは間違いなく上がります。住宅ローンを変動から固定、もしくは短期から長期に切り替える場合、金利が上がってからでは間に合いません。常に経済動向に注意し、金利が上がる前に借り入れ・借り換えする事が何より重要です。もし、住宅の購入を考えている方で、妥当な価格の新築物件や値引き物件が見つかった場合は、住宅ローン金利が前月同様、過去最低水準にある2014年12月期は好機と言えます。

 

住宅は人生を左右する大きな買い物です。実際に住宅を購入する際は、しっかりと各社の住宅ローンを比較、検討した上で、自分のライフプランに合った最適な住宅ローンを選びましょう。