投稿日:

2016年5月の住宅ローン金利

2016年5月の住宅ローン金利は、先月は落ち着いていた日銀によるマイナス金利の効果が徐々に表れはじめており、中長期の金利が緩やかに低下しました。金融機関によって一部判断は分かれましたが、金利はわずかですが低下しました。金利に関しては安定的に推移していますが、株式市場や為替市場に目を移すと、相場は乱高下しており、国債市場がこのまま平穏を保てるかどうかは専門家の間でも意見が分かれています。現在の国債価格は異常と言って良い程、高騰し、金利が抑えられている状況ですが、この国債が売られるような事態になると、金利が上昇するため、住宅ローン金利も急上昇する可能性があります。過去の住宅ローン金利と比較すると、現在が歴史的な低金利であることは疑いようのない事実です。

各社の住宅ローンの金利動向をチェックしていきます。ユーザー調査で、最も高い評価を受けているフラット35は、返済期間が21年以上の場合の金利が1.08%~2.21%(前月比-0.09%)また、返済期間が20年以下の場合の金利が、0.96%~2.07%(前月0.06%)と今月も過去最低金利を更新し、魅力的なサービスを展開中です。次に評価の高い住信SBIネット銀行は、変動金利含む短期金利と中期金利を据え置き、10年、20年ものの金利に関しては先月大きく引き下げた影響から、今月はわずかながら引き上げました。変動金利の低さが特徴のソニー銀行は、今月はほぼ全ての金利を据え置き、30年を超える長期住宅ローンの金利のみ引き下げました。メガバンクのみならず、日本全体の住宅ローン金利の指標となっている三菱東京UFJ銀行は、30年を超える長期住宅ローンを引き下げる一方で、他の金利帯に関しては据え置きました。次に人気を誇る三井住友銀行は、同様の対応をしており、35年を超える住宅ローン金利を引き下げる一方で、他の金利帯については据え置きました。日銀によるマイナス金利導入後の効果が徐々に表れており、長期住宅ローンの代表とされるフラット35以外の金融機関は短期・中期の金利を据え置いた印象です。1月29日に実施された日銀のマイナス金利導入は、住宅ローン金利にも大きな影響を与えましたが、2016年4月に金利が上昇した反動もあり、2016年5月は金利が安定的に推移し、結果として各社の住宅ローン金利をわずかながらに引き下げる効果を産みました。今後の住宅ローン金利の動向を左右するのは、やはり日銀の動向です。日銀は理論上はまだマイナス金利を引き下げる余地があると公言していますが、その金利にも限界があります。例えば0.25%金利が引き下げられたとして、住宅ローン金利への影響は0.1%前後に留まると考えられることから、万一日銀が理論上の限界値までマイナス金利を引き下げた場合も、金利は下がってあと0.3%程度になるはずです。つまり、ここから住宅ローン金利がさらに下がったとしても、その金利低下は限定的であり、住宅ローンの借り入れや借り換えを待つほどの効果はないと考えられます。住宅のような大きな買い物は買いたいと決断した時が買い時であり、借り換えたいと判断したタイミングが借り換え時です。不確定な未来を恐れるより、自分の力を信じ、未来を信じ、無理のない返済計画を立てることが、住宅ローンを利用する方に求められる資質と言えるでしょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です