2015年12月の住宅ローン金利は、12月の実施が濃厚となっている米国の利上げと、さらなる金融緩和が予想される日欧の金融当局の動きをにらみ、小幅な値動きとなりました。変動金利及び短期金利は低下する余地が乏しいことと、最近では金利が動く場合も中長期の金利に限定されつつあります。12月の初旬には米国が金利の引き上げに踏み切るかどうかが判明します。問題は金利が引き上げられた際、金融市場がどのように動くのかという点です。万一にも米国の長期金利が急騰した場合、日本も無傷ではいられません。日本当局もほどなくして利上げに舵を切る可能性が出てくるでしょう。そうなると今の様な住宅ローン金利はもう二度と訪れないかもしれません。住宅ローンの借り入れ、借り換えを検討している方は、2015年12月は今後の金利動向を占う上で非常に重要になる可能性があるという事を意識しておきましょう。
各社の住宅ローンの金利動向をチェックしていきます。ユーザー調査で、最も高い評価を受けているフラット35は、返済期間が21年以上の場合の金利が1.55%~2.1%(前月比±0%)また、返済期間が20年以下の場合の金利が、1.28%~2.13%(前月±0%)と今月は若干ですが金利が下がりましたが、実際は据え置きが現状ですので、引き続き、他の金融機関と比べると魅力的なサービスを提供しております。次に評価の高い住信SBIネット銀行は、変動金利、2年物、5年物などの短期金利はもちろん、10年を超える中期金利、20年を超える長期金利をいずれも据え置きました。変動金利の低さが特徴のソニー銀行は、前月同様、中長期の固定金利をわずかですが引き下げ、さらに魅力的な水準でサービスを提供しています。メガバンクのみならず、日本全体の住宅ローン金利の指標となっている三菱東京UFJ銀行は、前月同様、中長期の固定金利をわずかですが引き下げ、さらに魅力的な水準でサービスを提供しています。三菱東京UFJ銀行に次ぐ人気を誇る三井住友銀行は、中長期の住宅ローン金利を引き下げ、一部住宅ローン金利は三菱東京UFJ銀行を下回る水準まで低下しました。今月は、各金融機関ともに人気金融商品の金利は据え置いたカタチとなりました。
11月に実施された日銀の金融政策決定会合でも日銀は追加緩和を見送り、今後も年内の追加緩和はないというのが市場の予想になりつつあります。ただし、日銀の追加緩和には限界が来ているという声が出てきており、今後もし追加緩和があったとしても、これまでのような金利低下にはならないと予想されます。
毎月のようにお伝えしていますが、住宅ローンは過去と現在の金利を比較すると、現在は過去に例を見ない程低い水準にあります。上がったものは必ず下がるように、下がったものもまた上がるのが必然であり、我々はその時に備えておかなければいけません。住宅の購入や住宅ローンの借り換えは家計に大きなインパクトを与える重要な判断です。だからこそしっかり準備し、各社の住宅ローンの内容や繰り上げ返済の方法等を比較した上で、自分のライフスタイルに合ったパートナーとなる金融機関を探しましょう。