2015年11月の住宅ローン金利は、米国・欧州・アジアの債券及び株価が神経質な値動きを続ける中、日本は日銀の緩和期待もあり長期金利が安定して推移し、住宅ローン金利も一部低下しました。住宅ローン金利の低下は10年を超える中期金利から見られ、20年、30年を超える長期金利の低下が最も現れました。今後の金利動向を見通すのは非常に困難ですが、米国は12月に金利を引き上げる事が予想されており、9月の利上げ前の相場の動向から考えると、年内に大きな金利の変動があっても決して不思議はありません。一部予想では日本の長期金利がまだ下がるという意見も出てきていますが、日本の国債金利は過去のデータから考えても債券バブルと言ってよい程低く、これ以上金利の低下を待つのは逆にリスクが高いと考えています。
各社の住宅ローンの金利動向をチェックしていきます。ユーザー調査で、最も高い評価を受けているフラット35は、返済期間が21年以上の場合の金利が1.55%~2.25%(前月比-0.04%)また、返済期間が20年以下の場合の金利が、1.28%~2.13%(前月-0.04%)と今月は金利が下がりました。引き続き、他の金融機関と比べると魅力的なサービスを提供しております。次に評価の高い住信SBIネット銀行は、変動金利、2年物、5年物などの短期金利を据え置く10年を超える中期の住宅ローン金利、20年を超える長期の住宅ローン金利を引き下げました。変動金利の低さが特徴のソニー銀行は、今月も10年を超える固定金利を中心に住宅ローン金利を引き下げ、さらに魅力的な水準でサービスを提供しています。メガバンクのみならず、日本全体の住宅ローン金利の指標となっている三菱東京UFJ銀行は、10年ものの住宅ローン金利を大幅に引き下げ、ネット銀行並みの水準に設定。その他の金利も長期金利を中心に引き下げています。三菱東京UFJ銀行に次ぐ人気を誇る三井住友銀行は、10年ものの固定金利を同水準に引き下げると共に、30年を超える長期固定型の住宅ローン金利をわずかに引き下げました。今月は、各金融機関ともに金利が下がりました。
10月の日銀の金融政策決定会合ですが、証券会社の予想では半数が追加緩和を予想していた事から注目が集まりましたが、結果は見送りとなりました。日銀の追加緩和には限界が来ているという声も出てきており、今後もし追加緩和があったとしても、これまでのような金利低下になるとは限りません。
過去の住宅ローン金利と現在の住宅ローン金利を比較すると、現在は過去に例を見ない程低い水準にあるのは紛れもない事実です。上がったものが下がるように、下がったものもまた上がるのが必然であり、我々はその時に備えておかなければいけません。住宅の購入や住宅ローンの借り換えは家計に大きなインパクトを与える重要な判断です。だからこそしっかり準備し、各社の住宅ローンの内容や繰り上げ返済の方法等を比較した上で、自分のライフスタイルに合ったパートナーとなる金融機関を探しましょう。