2015年8月の住宅ローン金利ですが、ここ数カ月大きな変動を見せていた金利が落ち着いて推移したことから多くの金融機関が金利を据え置くか、わずかながらな引き上げと引き下げを行っています。今後の金利動向を読むのは困難ですが、米国では9月に利上げが行われる可能性が高く、実際に利上げが行われると、世界中の金利が米国の金利につられ、相対的に上昇する可能性が高いでしょう。つまり9月の結果如何では日本の住宅ローン金利にも波乱がありそうです。万一利上げが見送られた場合は、利上げのタイミングがずれこむため、日本でも金利の低下が起こる可能性があります。遅かれ早かれ米国は利上げに踏み切る事が規定路線であり、そのタイミングで日本の金利もまず間違いなく上がります。今の様な低金利のメリットをいつまでも享受できる訳ではないという事は頭の念頭に置いておく必要があるでしょう。
各社の住宅ローンの金利動向をチェックしていきます。ユーザー調査で、最も高い評価を受けているフラット35は、返済期間が21年以上の場合の金利が1.58%~2.36%(前月比-0.03%)また、返済期間が20年以下の場合の金利が、1.35%~2.16%(前月-0.03%)と3か月ぶりにに続き金利が下がりましたが、高い部分の金利は上がっているので、据え置きというところが妥当かと思います。次に評価の高い住信SBIネット銀行は2年物の固定金利を0.45%に引き下げる一方で、変動金利を0.70%に引き上げました。変動金利の低さが特徴のソニー銀行は、毎月月中に翌月の住宅ローン金利を公表しています。8月は前月の月中発表で金利が大幅に上昇した反動もあり、変動金利を除くほぼ全ての住宅ローン金利を大幅に引き下げました。メガバンクのみならず、日本全体の住宅ローン金利の指標となっている三菱東京UFJ銀行は、前月とうってかわり、最も人気が高い固定金利10年ものの金利及び長期固定型の金利を引き下げています。次に人気を誇る三井住友銀行は今月は対応が分かれ、三井住友銀行のほうが金利を据え置いたため、今月に関しては三菱東京UFJ銀行のほうが有利な条件で借り入れ、借り換えができそうです。今月は、各金融機関の対応は分かれましたが、概ね据え置いたという状況だと思います。
7月の日銀の定例会見でも、追加緩和は行われず、日銀が物価2%上昇の目標を諦め、しばらく日銀が大きな金融緩和を行わないのではないかという予想が強くなってきました。一方で日銀の黒田総裁は驚きのある政策を行うため、みんなが油断したタイミングで緩和する可能性も残されたいます。ただし、金融緩和がこれまでのような長期金利の大幅の低下をもたらす可能性は極めて低くなっています。つまり、住宅の新規借り入れ及び住宅ローンの借換えを検討する場合は、金利が下がる事を期待するのではなく、今後は金利が上昇する可能性があるという事に、より気をつけなければいけないと言えるでしょう。
2015年7月はギリシャ問題に一定の決着がつき、世界中の金利が安定して推移しました。ただしこの状況はいつでも変動します。そしてその可能性が一番高いのは金利の上昇です。前述したように住宅ローンを検討している方は、しっかりと比較・検討を行いつつ、金利が大幅に上昇する前に、賢く住宅ローンを借り入れ(借り換え)しましょう。